京染会の設立の由来は、明治21年にさかのぼり、友禅の工人と関係者が仲間組合を設立したのが源であり、その後明治25年に京都染業組合に、明治31年には京都染物同業組合と移り、昭和12年8月に現在の前身である京染会館が建設されました。
その後、昭和19年に戦争の影響下で染物同業組合が解散されたことから、財団法人京染会が設立され、京染会館の運営と維持を行ってきましたが、公益法人関係の法律改正に伴い平成24年4月1日に名称を一般財団法人京染会に変更登記し、現在に至っています。
京染会の定款では、染色に係る伝統技術や図案、意匠技術力及び伝統文化・芸術の保持と、 その維持発展及び改善に資する事業を行うとともに、染色に関する多様な連携活動の強化と 他分野等との交流を通じて京都の文化・芸術の振興発展及び伝統的な染色文化の次代への継承に寄与することを目的として、以下の事業をあげている。
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(1) 保有する土地及び京染会館への染色業界事務所設置などによる管理運営
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(2) 染色文化の伝統・継承と振興発展及び啓発に資する事業
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(3) 意匠研究、技術研修、経営研修等各種技術能力の向上事業
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(4) 染色技術者及び図案作家の育成及び連携等に資する事業
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(5) 染色関係資料、文献の収集保存及び公開並びに情報宣伝活動事業
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(6) その他この法人の目的を達成するために必要な事業
明治21年 | 仲間組合創立 |
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明治25年10月5日 | 京都染業組合設立 |
明治31年12月20日 | 京都染物同業組合設置(組織変更) |
昭和11年12月2日 | 京染会館の建築工事開始 旧事務所の土地売却と2,695名からの寄付金115,736円20銭を当てる。 |
昭和12年8月1日 | 京染会館竣工 |
昭和19年7月1日 | 財団法人京染会設立 (京都染物同業組合は、7月19日で解散) |
平成21年7月 | 京染会館の改築のため取り壊し開始 |
平成22年10月1日 | 京染会館の新築竣工 屋上の「京染の庭」、大会議室の床材にはそれぞれ旧京染会館の石材やナラ材の床と大理石の巾木を使用し、新しい京染会館にもその歴史と伝統が受け継がれています。 |
平成24年4月1日 | 名称変更により一般財団法人として設立 |
一般財団法人京染会に関わる団体(順不同)
京鹿の子絞振興協同組合、京都染型協同組合、京都黒染工業協同組合、 京都府繊維染色工業組合、
京都工芸染匠協同組合、京都手描友禅協同組合、京都誂友禅工業協同組合、
京都友禅協同組合、
京都友禅蒸水洗工業協同組合、京都刺繍協同組合、 京都浸染工業協同組合、
京都プリント染色協同組合、
京都洛北友禅協同組合、京都広幅染色整理協同組合、 京都引染工業協同組合、京都紋章工芸協同組合、
京都繊維機械染色協同組合、
京都染色補正工業協同組合、京都染織整理工業協同組合
京染会の歴史は、古く明治21年の仲間組合に始まりますが、幕末から明治初頭にかけての我が国社会の激変とそれに伴う京染業界の衰退から振興への先人の努力が、明治31年の京都染物同業組合へと発展し、その後多くの業界人を中心としたご寄付により、昭和12年8月に旧京染会館が建設されました。
以後、社会情勢の変化、特に第二次大戦後は、染色業種ごとの協同組合の設立によって、京染会は会館の維持管理を主たる業務として今日に至っています。 現在、京染の世界も様々な難しい課題に直面していますが、平成22年10月の新しい京染会館の完成を契機に、もう一度京染に対する先人の願いを想い起こし、一般財団法人京染会の存立の意義を見つめ直し、現代から未来を見据えた京染業界への貢献策を積極的に推進しております。
今後とも、京染会館を京染文化の拠点として京染業界の明るい未来の構築のため、各種の事業に取り組んで行きたいと考えていますので、皆様方の一層のご支援ご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。